「表彰式で」 　by Ｋ様

表彰式は上がった歓声や贈られるトロフィーや花束などをもらって照れて俯きっぱなしのパアム。
「えっ？えっ？（汗）」
という感じで、流されたまま式は進行する。
…そして、優勝者の言葉。表情がちょっとカタイ。（顔真っ赤（笑））

「ミ、ミンナありがとうっ！
…ボ、ボク、ホントに優勝したんだね…。
あ、ちょっと待って。」

俯いたままブンブン顔を振り、一気に息吐いて顔を起こす。
さっきまでとは違い、表情がまじめになっている。

「ゴメン、ちょっと上がっちゃって。
…こういう場って苦手。
でも、良い機会だからちょっとボクのことを聞いてほしい。
…ボクは自分に自信がなかった。
ボクは、ボクの大事なミンナを護りたくてがんばってた。
でも、…護れなかった。
それどころかいろんな人に護られてきた。
父さん母さんも、そして妹もボクのために死んじゃった…。
だから不安だったんだ。
…ボクに人を護る力があるのかって…。
でも、今回のことで、少し自信がもてた気がする。
…ボクにもここにいるミンナくらいの力があるんだって。
ボクはミンナの強さに憧れてたくらいなんだよ。
だってミンナとっても強いんだもん。

　でも、ボクが優勝しちゃったからって自信なくしちゃダメだよっ！
ホント、紙一重の戦いばっかりだったんだから。
ミンナ実力伯仲…いや、ボクより強い人ばっかりだった。
たまたまボクが勝っただけ。
ミンナ本当に、ほんっとうにとっても強いよっ！
だから、ミンナでがんばればきっとこのエンブリアを護れると思う。

　明日からまた大変な日々が続くと思うけど、ミンナがんばろっ！
ボクもがんばるから、諦めないから、ミンナも諦めちゃダメだよっ！

　これでボクの話はおしまいっ！
今日はホントーにミンナありがとっ！
パアムでしたっ。」

歓声にまた照れて頭を掻くパアム。
でも、瞳の奥には確かな光が見えた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　＜おわり＞