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■２５８３年３月 自由都市トルロー／娼館「百花繚乱」
眠らない街トルロー、深夜になっても消えない街あかりの中に無残な姿を晒す一軒の娼館。
その館は今エストーラの英雄アーサーと勇将ナヴァールが住居としておりフリーダム・フリートの拠点と化していた。
いつもなら呼び込みの声の一つも聞こえるはずの深夜。
キィ…パタン。
営業停止状態のせいか静まり返った通路にドアの開閉音が静かに流れた。
窓から差す月明かりのみが照らす中、その部屋の主は安らかな息で眠っている。
日に焼けた赤毛とそれなりに整った顔…、アーサー・シュレイムだ。
侵入者は音も無くベットに忍び寄りアーサーの顔をじっと見つめる。
黒く染めた服で身を固めたその人物は暗殺者なのだろうか…？。
その腕がゆっくりと上げられてアーサーの肩へ伸びる。
アーサーはその日再会した勇将との宴会で飲みすぎたのか？赤ら顔で幸せそうに眠ったままだ。
「アーサー様…起きるのだ…」
黒服の少女ブリューナはアーサーを軽く肩を揺すりながらある重大な目的の為に起こそうとした。
「…も…飲めな…」
アーサーはマクラを抱えて寝返りを打つだけで起きそうに無かった。
「…アーサー様に任せようと思っていたのだが…、仕方ない勝手にするのだ…」
ブリューナはベレー帽を取り肩に掛けたマントを外し床に落した。
ちょうど雲間に月が隠れて部屋の中は暗闇に覆われる。
ズッ、トン…、ズッ、トン、…シュル、パサ、プチ、プチ、プチ、プチ、プチ。
「んっ…」
スルスルスル、…パサ、シュルシュル、プチ、プチ、
「よっ…とっ…」
スル、スル、…パサリ。
「とりあえず…ここまでだな？」
既にルーンを解除したのか、トットッと足音がベットの後ろに回りこむ。
「…邪魔なのだ」
バサリと大きな音がする。
「まずは…取らないとダメか…、…むっ…難しいのだ。」
しばらくゴソゴソと音が続いたがブリューナの苦労が実ったのか鳴り止む。
「…中々手強かったのだ…しかしヘンテコなモノだな…まだこのままではダメだったな…」
しばしの静けさ…。闇の中、アーサーのこめかみがピクリと動く。
「むぅ、しかしヘンな……だ…まだまだか…」
しばしの静けさ…。スリスリと何かこするような音がかすかに響く。
「これではダメなのか…？仕方ない次の手なのだ…モゴモゴ…、･…むぅ…イのだ…」
ピチャ…、ピチャ…、ピチャ…、ピチャ…ピチャ…、ピチャ……、ピチャピチャ…、ピチャ…
なにか水音がゆっくりと続く。闇の中、アーサーの顔が何かに耐えるように歪む。
「う〜む、驚くような変化だ…。…が上手くいったのだ。これでこっちは完璧だな。」
ムリな姿勢を続けていたブリューナはいったん背筋を伸ばす。
「よし、次はオレ様の方だな…とりあえず全部…」
パチン、シュルシュル、トサッ、……スルスルスルスル、ポテッ
「ンッ、…こう…か。アッ…、クゥ………」
しばらく微かな音だけが続く。そしてブリューナの顔が赤く染まっていく。
「…ハァ…ハァ…、…な…に…いつの間に…元に戻ったのだ？」
目の前の完璧に仕上げたハズのモノが何時の間にやらまた元に戻ろうとしているのにブリューナが気付く。
「続けてないとダメなのか…？」
仕方なしに白い肌を上気させつつ荒い息使いで２つの作業をゆっくりと続けるブリューナ。
ピチャ…、ピチャ…、ピチャ…、ピチャ…ピチャ…、ピチャ……、ピチャピチャ…、ピチャ…
再び水音がゆっくりと繰り返される。闇の中、アーサーの顔が前にもまして歪む。
ピチャ…、クチュ…、ピチャ…ピチャ…、…クチュ、グチュ…、ピチャ…、…クチュ
いつの間にやら水音は２つ響きだし、アーサーはかなり息が荒くなっていった。
しばらくするとビシャッビチャッと連続した音が響くと同時に二人の声があがる。
「うわっ、なんだ！」
「っ！！！、…コレは…？」
アーサーは何かはげしい感覚を覚えて飛び起きる。
暗い闇の中。自分のベットの足の方に人影を見つけてばっと枕もとで身構える。
「誰だ！クラウザーの手の者か…？ってなんでオレはパンツ履いてないんだぁ〜！」
ちょうどその時に長く隠れていた月が雲間から顔を出す。
ベットに月明かりが差していくと共に小柄な裸身が浮かび上がっていく。
その顔を見た時、アーサーは絶叫をあげそうになったのをなんとか自分で口を抑えた！
「おまえなんでここにいるんだ！それでその顔のは…」
ベットに落ちてたパンツをはきつつアーサーはなぜか小声でブリューナに詰め寄る。
ブリューナは顔についた初めてみる物体を拭いつつあっさりと答える。
「もちろんアーサー様の子作りなのだ。…残念ながら第一回目は失敗したみたいなのだ。」
拭うものの正体に気付いたアーサーは完全に凍り付いてしばらく動かなかった…。
衝撃で真っ白になっていく頭に浮かぶのはなぜか５人の女の子が恐ろしい顔をして睨んでいる姿だった…。
「こっこういうのはな。違うだろう！」
とりあえずブリューナの顔を拭き、体を見ないようにシーツ被せて説教を始めるアーサー。
「間違いは無いのだ。アーサー様もオレ様も準備は完璧だったのだ。」
ごそごそと手をどこかから取り出すと糸を引く濡れた指を見せる。
再び顔を真っ赤にしながらアーサーはあせりまくった。
「いや、そういう事じゃなくてだ！こっ子作りなんてものは愛する二人が結婚してからするもんだろう？」
深呼吸して落ち着いてから再び言い聞かせる。
「問題はない。男の下半身に理性はないのだ。」
「おまえ意味分かって言っているのか…？」
ひどく疲れた顔のアーサーががっくりと肩を落す。
「オレはまだ子作りするつもりは無いから止めてくれ！」
一瞬言われた意味を理解できないかのようだったブリューナだが激しく落ち込んだ様子で言い返す。
「それは…オレ様は抱く価値も無い女だという事なのか？」
その落ち込んだ様子に慌てたアーサーは何か言わなくてはと焦った。
「あっいや、そういう事じゃなくてだ。えーと子作りする前に恋とか愛を語らうのが普通だろう？とかだな…」
その言葉にブリューナは目をキラリと光らせると言い倒す。
「そうか！だったら何も気にする事は無いぞ。オレ様はそんなモノには興味ないのだ。
結婚しろとか金を出せなど後で絶対言わないのだ。据え膳食わねば男の恥じと言うではないか。
さあ、遠慮せずにオレ様と子作りするのだ！」
言うが早いかアーサーに飛び掛る。
ハラリと取れたシーツの下に目を剥いてしまいアーサーはそのまま押し倒された。
一瞬見つめあうアーサーとブリューナ。
ブリューナの瞳にはひとかけらの迷いも無く、強く輝いてアーサーを射抜く。
「…おまえ、ホントにそんなので良いのか…？」
ブリューナは何をいまさらと言うようにあっさりと頷く。
「オレ様は最初から真剣なのだ！
アーサー様が子作りする恋人がいないと言うのだからオレ様で子作りしてもらうのだ。
絶対に！なのだ！！！」
強く純粋な意思（子作りだが…）を感じて酒に酔った頭でアーサーはつい考えてしまった…。
それを断るほどの理由がオレにはあるのかと…。
というかまだまだ幼いとはいえ全裸の女の子がせまりっぱなしで酒も入ってるしそろそろ理性が…。
のどに乾きを覚えてゴクリを唾を飲み込むアーサー。
先ほどからのショッキングなえ映像とちょっと眼を下に向ければ全裸があるという状況にさしもの英雄も限界が近かった。
なんとか頭を振り絞って逆療法を思いつく。話に乗ったふりをすればまだまだ子供の女の子だ。
たぶん途中で怖くなって冗談だったとか言いながら逃げるだろうと思いついたのだ。
「よし分かった。やってやろうじゃないか！…だけどイヤになったらすぐに言うんだぞ？」
アーサーはガバッと今度は体を入れ替えてブリューナにのしかかる格好になる。
じっと見つめて待つブリューナにアーサーはちょっと自分の案に不安を持った。なんか間違ってないかオレ？
「…えーと…じっと見られたら…やりにくいな。」
おとなしくその声にブリューナは瞳をとじる。
「だったらアーサー様に任せるのだ。」
それからアーサーはブリューナの指導を受けて苦労しつつも着実に慣れぬ行為を進めていく。
普通なら恥ずかしくて出来そうもない事も酔いと相手の体がボンキュッボーンで無いのが幸いしてしまっていた。
全然逃げ出さず目を閉じて自分の行為に幼い反応をするブリューナにアーサーもいつしかボーと頭が働かなくなって
行為に没頭していった…。
「も…完璧なの…だ。アーサー様…」
白い肌をサクラ色に染めたブリューナがアーサーに宣言する。
「あっあぁ…そうだな…本当に後悔しないんだな…？」
最後にもう一度問い掛けて肯定の頷きを見たアーサーはもう答えが分かりきってしまった質問だったと苦笑する。
「一気にして欲しいのだ。」
ブリューナはゆっくりと唇にシーツを引き寄せて噛む。なにかに耐えるように…。
アーサーはボーっとした頭で言われるがまま自分でほぐした場所をゆっくりと探るように己を当てがい…、
かなりの抵抗を受けたが力任せに一気にグィっと突きぬく。
「んっんーー！！！！」
ブリューナの腰が一瞬引かれたがそれ以上は自分の意志で踏みとどまった。
貫かれた後にブリューナは体を硬直させギリギリとアーサーを締め上げる。
アーサーもなんとも言えない痛いぐらいの感覚に驚いていたが、
大粒の涙をボロボロ流しながら何かに耐えているブリューナに正気に戻る。
「おまえ…もしかして…初めてだったのか！？…大丈夫か？」
「………ん、大丈…夫…なの…、…早く…続け……」
しばらくは何も言えない様子だったがシーツを口から外して息も絶え絶えにブリューナは言う。
かなりムリをしているようにしか見えないが気丈にも言うその姿にアーサーは何も言えなくなった。
引き抜こうと動いてあと少しという時にブリューナがアーサーの体に抱きつく。
「……まだ…終わって…い…」
ブリューナは抱きついた時に更なる激痛を味わったのかゆっくり息を吐いてから言いアーサーを睨む。
涙でくしゃくしゃになりながらもその目は鋭くアーサーを貫く。
アーサーは黙って早く終わらせるべく負担が少ないようにゆっくりと注意しながら動き出した。
「…んっ…んー！……ん！！！…ん−っ。」
その動きにブリューナは再びシーツを噛み声を押し殺しながら傷口を引き裂き続けられる苦痛に耐え続けた。
シュレイムの血脈を残せという使命を何度も頭で繰り返して激痛に朦朧としていく意識を繋ぎとめる。
そして…しばらくの後にアーサーはブリューナの内に己を解き放った。
ブリューナは自分の中を叩く熱いモノを感じてついに終わったと安心したとたん気絶していた…
アーサーは赤いシミをつくったシーツと気絶して裸身を晒す少女とその内からこぼれ落ちるモノを呆然と眺めていた。
己の欲望を放ってから急激に酒の酔いが一気に醒めていくような気がしてくる。
醒めた頭に怒り泣き叫び責める女性陣が思い浮かんだ。
「…これ…悪い夢だよな…」
自爆ゴーレムを飲まされた時に味わったのとは別の感覚に冷や汗がダラダラと出てきた。
だが同時に慣れぬ行為に対してあった緊張の糸もプツリと切れて激しい疲労と睡魔を感じる。
とりあえず少女を横に避けて何もかも目が醒めたら夢であってくれと願いなからアーサーは眠りについた…。
翌朝、いつもどおり目覚めたアーサーは何かイヤな夢を見た気がしてベットの上でキョロキョロと周りを見回す。
なぜかシーツとかがベットの横に落ちて固まっていたが夢で見た景色と違っている気がして安心する。
「夢ならまあ気にすることは無いか…」
あっさり気分を切り替えて簡単に身支度をしてさっさと部屋を出て行くアーサー。
だが扉が閉まる大きな音にベット横に落ちていたシーツが反応してもぞもぞと動きだした…。
「…アーサー様？」
シーツから出てきたのは白金の髪と白金の瞳を持つ少女だ。
「むぅ？確か昨日ちゃんと子作りしたはずなのだが…？最後がよく思いだせないのだ…。」
とりあえず置いてあった洗面器とタオルで体を拭う。
「痛っ、ふぅあんなに痛いとは…子作りは難しいのだ…。」
それからシーツに包まっていた服を見つけて身に付けようとするが上の下着が見当たらない…。
どうしたものかと考えてとりあえず下だけズボンまで履く。
それからドアから顔を出してアーサーを探す。アーサーはすぐそこでナヴァールと話をしていた。
まあ邪魔してもかまわないだろうと腕で胸を隠してそのままアーサーに聞きに部屋を出るブリューナだった…。
＜ノベルの朝の両提督口論へ続く＞
■妄想をマスターへ送った時の私信
こんな感じならノベルの描写にもむりなく繋がると思って考えて書きましたが如何でしょうか？
半裸でアーサーの部屋から出てきたし、自分で下着を無くしたとアピールする意味は無いですし、
（ラブラブ５天王にも子作りしろと言うぐらいなのでライバル牽制の対策はしないはずです）
「いつでも子作りできる」では無く「いつでも産める」とあるのでもう子作り済と考えました。
「子作りは難しい」などのセリフも矛盾無くクリアー出来ると思ってますが…。
「あいついつの間に！」なども信じたくないアーサーの心理が出ていて良い感じになるかと…。
最後の半裸もこれならナヴァールは硬直してもアーサーが部屋にいた事しか気にしない理由が
すでに記憶にインプットされていてもうなれていたから半裸には驚かなかったと…。
ダメならコメントに却下！と一言いれて頂きたいと思いますが書いてない時はＯＫですよね？（笑）
このプラリアはブリューナの目的の子作りについて第５回の状況や結果を想定しそれを前提に
第６回アクションを書く為に作りました。仮にでも決めないとどうにも書けなかったもので…。
子作り以外でアクションかけても良かったのですが、第５回であそこまで書いていただいたからには
子作りせねばと思いました（笑）さてそれではコメントに却下とかかれない事を祈っております。