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■２５８３年４月 自由都市トルロー
ソル・レオン修復に加えて、サーティーワン建造で忙しい合間にヒマをつくりブリューナは完璧な子作りを目指して日夜努力を積み重ねていた。
「確かアーサー様は恋とか愛が子作り前に必要だと言ってたのだ…。」
早速、ブリューナは本屋で恋と言う字についての文書を漁る。
「これなのだ！」
手にした本は『恋人になる為のデートマニュアル決定版（トルロー編）！』
「ふっふっふ、これで勉強してアーサー様と完璧な子作りをするのだ。」
子作り子作りと声高に叫ぶ少女に店内の視線が集中していたが燃え上がるブリューナには全く意味の無いものだった。
買ってきた妖しいデートマニュアルを読みふけるブリューナ。
「ふむふむ、どうやら着飾って街を遊び歩くのがデートらしいな。それで最後はホテルで子作りか…。
むぅ、着飾るのはオレ様の辞書に載ってないからムリなのだ…専門家に任せるとするか。」
早速、ブリューナは繁華街のブティックへ突撃し、バンと扉を開けて言い放つ！
「そこのマヌカンとやら！オレ様のファッションをデート用に仕立てるのだ！」
突然の要求にも営業スマイルを忘れず、どんとエクト硬貨のつまった袋を見てからは最高の笑顔であっという間に黒一色の男の子スタイルのブリューナを試着室へつれこんで、白い肌に似合う淡いピンクの上品なレースをあしらった下着を着せてドレスを着せて髪も綺麗に整えて軽くメイクをして服と揃えのつば広帽子と靴まで用意して別人にしか思えない可愛らしい女の子へ早変わりさせるマヌカン！
「うむ、これならば本に書いてあってようなカッコだろう。やるなマヌカン、完璧なのだ！」
服が変わっても相変わらずのブリューナから笑顔で代価を受けるマヌカンだった。
「後は一緒にまわる場所を決めて、デート中にすべき事！とやらを洗い出して研究するだけだな！
ファッションもマヌカンに聞いたからいつでもあのカッコが出来るし、さすがオレ様は完璧だ」
ソル・レオンの修理をしながらぶつぶつと言ってる姿をシン・ラーヴィスに怪しまれながらブリューナはさらにデートマニュアルを読み漁る。
「なになにホテルから見る夜明けだと…むぅ子作りは大変だから起きていられるか分からないのだ…
よし、デートの最初に夜明けを見て盛り上がるのだ！
…アーサー様が寝ている間につれてって起きたら夜明けの太陽がバーンとぉ！で完璧なのだ！！！」
手は休めずに動かしながらブリューナの計画は着々と組みあがっていった。…いいのかそんなで？
＜おわり＞