AFFIXTUER
■２５８３年７月 首都ファティマ
「ふふっ、要塞でアーサー様が助けてくれたのだ…。…思い出すだけで嬉しいのだ。」
首都に戻ったシュレイム艦隊の宿舎の自室でブリューナは幸せいっぱいの笑顔を浮かべていた。
ベドフォード要塞で魔人に狙われた自分をアーサーが慌てて助けてくれた様子を思い出す。
なにやら嬉しさが溢れ出して体の奥から甘い痺れが全身に広がって何だがウキウキしてくる。、
ベットの上で実寸アーサー人形型抱き枕をギュ〜っと抱き抱えると体が自然に転がりだす。
コロコロ〜コロコロ〜コロコロコロコロ………ゴン！
「…いっ、痛いのだ…。」
転がりすぎてベットのカドで頭を打ったブリューナの目に涙が…と思ったらすぐにまたフニャフニャな笑顔になる。
「ア〜サ〜様ぁぁぁぁ」
またまたコロコロ転がるブリューナ………、ズルッ、ガン！
「………うっうぅ、痛い…の………」
今度はベットからずり落ちて床とキスするブリューナ。
顔をスリスリして痛みに耐えていたがすぐに体が火照ってどうしようもない。
ブリューナは胸の奥から溢れてくるジーンとした感じにポォ〜と惚けて続けていた…。
■翌日
「うっ…んっ…うっ……ひっく………」
夜、前日と一転してブリューナの部屋からはずっとすすり泣く声が聞こえ続けていた。
アーサー型抱き枕に顔を埋めてブリューナは泣きつづける。
どれほど泣きつづけたのか顔はもうクシャクシャになってしまっていた。
（…アーサー様が…誰かを選ぶ……オレ様は…もう…一緒に……いれないの…？）
今日聞いた噂話、アーサーが誰かに送る婚約指輪を買っていたって…。
アーサーと一緒にいる事が出来なくなる…その考えは小さな胸の奥を激しく
ギリギリと締め上げて、ブリューナはあまりの辛さ切なさにただ泣きつづける…。
（アーサー様は…オレ様をどう思ってるんだろう？…キライなのか？それとも…？）
考えは堂々巡りで何となく絶望へと考えが流れていく。
「……んっ……ひっく…ひっく………選ばれなかったら…もうそばにいれないのだ……」
ブリューナはおなかに赤ちゃんがいなければ、もう絶対に生きていられない…それぐらい思いつめていた。
「……カリブに…帰るしかないのだ……んっ…ひっく…」
（アーサーさま…オレ様を…選んで………）
アーサーが自分に向かって指輪を渡してくれるのを思い浮かべると、また甘い痺れが胸に湧き上がる…。
「…こんなに好きなのに……大好きって言ったのに……ファーストキッスも…初めても…全部、アーサー様のモノなのに…」
（何も言ってくれないのだ…やっぱり…男は「据膳食わねば恥」だから……なのか？）
またもや胸を締め付ける悲しみに涙が溢れ出すブリューナ。
（それとも忘れ…たのか？……オレ様にとっては…全部…一生に一度の…大切なモノだったのに…）
目を拭っても拭っても涙はひたすら止まらない。
「…でも…もう一度だけ…アーサー様に言うのだ…。それで…誰を選ぶか…聞くのだ…」
アーサーに告白する時を思い浮かべて溢れてくる嬉しい気持ちと、
選んでくれなかった事を考えると湧き出て来る悲しい気持ちと、
二つの気持ちに揺れつづけるブリューナの顔はずっと泣き笑いを続けていた…。
■キャスティングリスト
ブリューナ・アルフェルム 女/16歳/妖精/138cm/3?kg
アーサーに初恋して女の子に目覚めて、ひたすら好きという感情を暴走させている（笑）
その想いはブリューナの中で一番強い願いで今は存在理由の全て。もしそれを失えばブリューナは…生きていけない。
加害者（爆）