スカラボ - 「Eternal Moon」
第３回ＳＡ：１月「コロッセオ」大会対戦コメント
■２Ｃ戦 ●ネストリア ｖｓ ○リュティア・ダルフェン
無表情の人形のような少女、リュティア・ダルフェンが微かに唇を動かした。
（『マスター？』）
誰に向けられた言葉なのか、ネストリアにはわからない。
ただ、少女にはそのために戦っていることがわかった。
瞬間、少女の周囲に炎の嵐が巻き上がり、それが炎鬼のように見えたかと思うとネストリアを直撃する。
全身で耐え、身体ごと後方へと押されていくネストリア。
業炎の熱気が周囲から消えたとき、ネストリアは静かに肩から力を抜いた。
「私もまだまだだな」
目の前の少女は無表情のまま、それでも首を傾げた仕草で不思議そうにネストリアを見たのだ。
■２Ｄ戦 ●モルガーナ・ランツェッティ ｖｓ ○レイ・サフィール
モルガーナの放った宙を裂く小刀は、レイ・サファールが放った衝撃波を放つ石によって弾かれる。
小気見よい澄んだ音がして、小刀が地に落ちた。
「あら、やるわね」
モルガーナは女王然とした仕草で、勝者であるレイに向かって優雅に微笑んで見せた。
■３Ｂ戦 ●リュティア・ダルフェン ｖｓ ○レイ・サフィール
すさまじい炎の嵐が吹き荒れた。
その炎は炎鬼のごとく立ち上がり、対戦相手であるレイ・サフィールに向かって踊りかかった。
だが、その炎鬼に向かって巨大な衝撃波を放つ石が放たれる。
その勢いは炎鬼を貫き、リュティアの身体にも余波衝撃が襲った。
耐性を持つ身であるにも関わらず、自由にならないほど手足がしびれ、リュティアはその場に膝をつくのだった。
■決勝戦 ●ジュダ・ネルンスト ｖｓ ○レイ・サフィール
＜レイ＞
油断ならない相手だった。
自分の力を誰かに見せるために戦う者ではないことをレイは悟った。
放つ「魔球」を対戦者のジュダ・ネルンストは避ける。
見据えられる目からは感情を読み取ることは出来なかったものの、その瞬間は確信することが出来た。
踏み出して迫る剣先に向かって、レイは「魔球」を放った。
＜ジュダ＞
ジュダは、レイ・サイファールの生じさせる衝撃波を放つ石を瞬時にして避けつつも、彼の顔を見据えていた。
ただ黙々と近づく瞬間を狙い……（今だっ！）
ジュダの剣が俊速のスピードでレイに迫る。
だが、レイもまたそれを見逃していなかった。
放てるだけの「魔球」を躊躇なくジュダに放ったのだった。
辛うじてカウンターになることだけを避けようと石を剣で薙ぐものの、衝撃によって不覚にも剣を落としてしまうのだった。