「ムンスパ」 プラリア 作者：Ｈ★Ｂさん 掲載日：２００１．９．２８
閉ざした心を開くモノ
すべてを拒み生きる この世のモノに憎悪する
ふと過去を振り返る ふれあうモノを垣間見る
ココロの中に異質なナニカを見つけだす そして…
"I become aware that I fail to notice how I am enabled to live."
「人に造られたお前にも存在する意味…、生きる理由は、あるのか？」
−生きる理由……ですか？ 私たちは誰かの側にいるために生まれました。その人の側にいて喜怒哀楽を共にし、その人を支えることそのために生きています−
念による回答、私はその言葉にさらに質問を返す。
「それは…、その考え方は、お前達が人に造られたからではないのか？」
−確かに、私は人間により生み出され、人間が好きです。人間よりの答えにどうしてもなってしまいます。ですが人は独りでは寂しいモノ…、私たちのぬくもりを必要とし てくれる誰かのために生きられるのなら…−
誰かのために生きる…？ なぜ、人のために生きられるのだ…。考え込むように私は黙る。
−先程のあなたの話、確かにつらいモノです。人を恨む気持ちも分かります、ですが復習は何も生みません。あなたと同じ人間を増やすだけです−
私の…悲しみを…。守護者から伝わる言葉を反芻する。そのまま黙る私に守護者は続ける。
−もし、自分の生き残った理由が欲しいのなら…そうですね、あなたの感じた悲しみを他の人に二度とあじあわせないため、というのはどうですか？−
私の中では人は自分勝手な生き物でしかなかった。私を捨てたのも、育ての親の亜人達の村を滅ぼしたのも人間…。だが、考えなっかったわけではなかった、その後に私を育ててくれたのも人間であることを。
−大丈夫ですよ。あなたは自分が生かされていることに気づこうとしていないだけです。あなたのココロの奥底に暖かいモノを感じますから…、きっと他人のために生きられ るようになれます−
「…もう少し、よく考えてみよう。…これからの自分の生き方を……。また、相談にのってくれ、フェリス」
−…フェリス？−
「ああ、お前の名前だ。＜Feliz＞どこかの言葉で<幸福>という意味があると聞いた、気に入らなかったか？」
−いえ、良い名前です。うれしいです−
「そうか…、よかった」
＊ ＊ ＊
（私の主となる人は、優しすぎる故に人を恨んでいるのですね。きっと、私が支えとなってみせますよ）
【管理人解説】
ムーン・スパイラルでインカのセフィナ・イブリスさんとその守護者フェリスさんのお話です。
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