エタムン・プラリア 作者：ＭＲＺさん 掲載日：２０００．７．１５
アルム・ナート／第７回アクション別紙プラリア
双刃列伝！！
外伝２：「別れ…！ 未来に羽ばたく時！！」編
written ｂｙ．ＭＲＺ
■外刃１：「悲しみを希望に変えて！！」
「…アリエッタ様」
形式だけのアリエッタの墓。その前に立つ一人の少女…。ヴィヴィに乗っ取られたアリエッタを最後まで護ろうとした少女…。
銀嵐槍兵を裏切り、仲間を傷つけた。しかし、アリエッタは護りきれなかった…。
「申し訳ありません…葬儀に参加することも出来なくて…」
魔軍に協力していた彼女は、現在、執行猶予で監視下に置かれている。
１２年ぶりに再会した兄、パアム・エルクリッドの働きかけにより、拘束はされていないが、葬儀に参加することまでは出来なかった…。
少女の名は、アルム・ナート。双刃の魔剣士と言われた、二刃の使い手…。しかし、今の彼女には、その双剣は無かった…。
「…サイレントゲイルとは、逢えましたか？」
アリエッタの乗馬であったサイレントゲイル…。その墓も、此処に移動されていた…。
「私も…お側に…」
アルムはそう言うと、持ってきた包みを開ける…。
そこには、アルムの使っていた二刀の剣…「流星剣」と「星嵐剣」がある。しかし、その両刃は真ん中から折れていた…。
「…アリエッタ様…あなたと共に今までの私は死にます」
そう言うとアルムは。折れた双刃をアリエッタの墓の左右に突き刺す。
「そして、これからはもう一人の私として生きていきます…」
立ち上がるアルム。その表情はいままでの鋭い感じも、闇の気配もなく、自然の…本当の自分を表現している。
「…これからは、私の代わりに…この剣があなたを護っていきます」
やさしく微笑んで、その場を立ち去るアルム。
振り返ると、一頭のユニコーン（パアムがアルムの監視役に置いた）がアルムを見守っている。
「…フン、貴様もアリエッタ様の冥福を祈ってくれるのか？」
『……』
ユニコーンは、何も言わずじっとアルムのを見つめている。
そのアルムの瞳からは、一筋の涙がこぼれていた…。
「…あれ？ おかしいな…？ もう、泣かないって決めていたのに…な」
涙が、ポロポロとこぼれる…。ユニコーンは、そんなアルムに寄り添ってくる。
「…フン…励ましてくれるのか？ なかなか、優しいな…」
アルムは暫くユニコーンに顔を埋める。
と、遠くから聞き慣れた声…。
「おーい！ 夕飯の支度が出来てるよー。早く帰っておいでよー」
兄、パアムの声だ…。
『ブルル…』
それに反応するようにユニコーンが、鳴く。
「…そうだな…、今の私には…兄さんが居る。そして、お前もな…」
アルムは、ユニコーンの首を撫でる。
「さあ、行くか！ 私も兄さんの手伝いをしなければな…」
そう言うと駆け出すアルム。ユニコーンもそれに従う。
「……」
最後に、もう一度だけ振り返るアルム…。
「…さようなら…アリエッタ様…」
そして、今度こそ振り返らず走り去る。
兄の元に向かって…。 そして、未来に向かって！
今、一人の少女が羽ばたくのだった…！
＜終わり＞
【管理人紹介】
ＭＲＺ様より頂いたアスターの銀嵐槍兵アルム・ナートさんのプラリア双刃列伝外伝第２話です！
旗頭アリエッタを失ったアルムさんのそれからの心中がよく分かるお話です。
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