| 日 | ＮＰＣ | 内容 |
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| 1 | リオン | こんばんは。今日から11月ですね。ところで、このメール配信サービスですけど、「指名」のほうでは、本日から恒例のシークレットイベントが始まっていますわよ。今、あなたが受け取っていらっしゃるのは「一般」のメールです。シークレットイベントへの参加を希望される方はキャラクターの指名をお願いしますわね。 |
| 2 | エルファーシア | 時間が空きましたけど、ウィンバムさんの話を続けますね。ウィンバムさんが沙漠で強かったのには理由がありました。パトス周辺はいわゆる「砂沙漠」なので、移動がとても大変です。馬もあまり役に立たないので、歩兵が中心になります。ウィンバムさんはこれを利用して、少数の味方で多数の敵を破る方法を考えたんです。 |
| 3 | シャロン | 砂沙漠と言うと、ただ砂があるだけに思えるかもしれませんけど、風の通り道や砂丘などの関係で、移動や宿営できる場所が限定されているんです。沙漠は海、その中を通る道は航路、宿営地は島みたいなものですね。最初の討伐隊は沙漠の特性を知らなかったので、ほとんど戦う前に敗退したんです。ウィンバムさんの不戦勝ですね。 |
| 4 | エルファーシア | 第２次討伐隊は、沙漠に詳しい人を雇って準備を整えました。でも、プロをアドバイザーにしたために、その行動は同じく沙漠に慣れたウィンバムさんに見抜かれやすくなったんです。ウィンバムさんは自分たちの拠点の位置を教えて敵を誘導することにします。野営地がどこになるかを見当つけて、夜襲をかけようと考えたんです。 |
| 5 | リオン | ウィンバムは、10名にも満たない仲間を４つに分けて、野営地を四方から攻撃しました。「とにかく囲んでしまうこと」が基本戦術だったんですね。そして、敵が混乱しているうちに食糧を焼いたり、水の容器を壊して逃げいていったんです。第２次討伐隊の被害は軽微でしたが、追撃が不可能になって退却せざるを得なかったんです。 |
| 6 | ファティマ | 「包囲して敵を混乱させ、その隙に補給を絶って、まともに戦わずに勝つ」というウィンバムさんの戦術はその後も効果を発揮し、第３次、第４次の討伐隊を撃退します。しかし、さすがにここまでくると、一介の無法者という扱いではなくなってしまい、王家も騎士団を投入して、本格的な討伐を行うことを決定します。 |
| 7 | ジャネット | 当時の近衛騎士団団長は、ミドルマスという40代半ばの騎士だった。彼は騎士団の誇りに賭けて勝利を誓い、今までの討伐隊がなぜ敗れたのか、徹底的に研究したんだな。で、編み出したウィンバムへの対抗策が、簡単に破壊できない頑強な拠点を複数作り、それを前進させながら、包囲網を狭めていく、という作戦だったんだ。 |
| 8 | ジャネット | ミドルマスは、パトスからあまり離れていないところに拠点を作り始めたんだ。その地点では、遠すぎてウィンバムには手が出せない。初めは野党相手に慎重すぎる、という意見もあったようだけど、ミドルマスはそういう連中には耳を貸さず、拠点を完成させたんだな。で、そこに十分な武器や食糧を運び込んだってわけだ。 |
| 9 | シャロン | ミドルマスさんは、拠点を少しずつ前進させて、沙漠の奥へと踏み込んでいきました。ウィンバムさんはなりをひそめていましたが、ついに本拠地付近まで騎士団が迫ってきたのを見て、ひとつの決断を下します。たったひとりで投降してきたんです。そして自分が罪を受ける代わりに仲間を赦免してくれ、と言ったんですね。 |
| 10 | スピカ | これまでの経緯を考えると、ウィンバムの申し出が通る可能性は低かったのよね。実際、反対者も多かったって言うし。でも、ミドルマス団長が口添えしたおかげで、王様も許してくれたね。ただし、ウィンバム一党が傭兵隊として王国に仕え、これまでの罪を償う間は、原則無償で戦いに加わること、という条件がつけられたのよ。 |
| 11 | エリス | こうして、ウィンバムの仲間たちとパトスにいた友人たちが集まって、「パトス義王兵団」が結成されました。総人数14名、平均年齢53歳という、前例のない戦闘部隊の誕生です。雇用主はトゥルーク王家。通称「老兵団」と呼ばれたこの部隊は、以後６年に渡って、モンスターや群盗の討伐を行い、数々の戦果を挙げていきます。 |
| 12 | リュキア | パトス義王兵団のメインの仕事は、バラン南東部にいた大型魔獣の掃討だったの。タブン、王様がパトス出身者が多いことをコウリョしたんだろうね。ウィンバムさんは相変わらず、囲んで徐々に弱める、という戦術で戦ったんだけど、これがキいたのよ。パトス周辺が今、ケッコウ安全なのは、その功績だと言われているのよね。 |
| 13 | リオン | ウィンバムさんは仲間と戦い続け、デストグラーン大砂漠での大規模なワーム掃討戦を最後に引退しました。王家の許しはだいぶ前に出ていましたから、この頃はそれなりの賃金ももらっていたようですわね。ウィンバムさんはそれでバランに家を買い、そこで亡くなりました。お墓は村人の希望でパトスに作られたと言うことです。 |
| 18 | エリス | アクション、お疲れさまでした。さて、今晩からは「デXトグラーン地理誌」と題して、消え去った街についてお話ししていきます。いずれも魔法王国時代に栄え、その後の大動乱で破壊され、地図から消えてしまった街なんです。第１回は、バージルの遙か北方、西の海を臨むデストグラーン最東端の街「セドナ」についてです。 |
| 19 | ファティマ | セドナは漁港として栄えたました。現在は潮流が変わっていますけど、当時は寒流が流れ込んで、魚介類だけではなくアザラシや鯨なども捕れたんですわ。大アザラシの牙や皮で作られた武具は実用品としても芸術品としても優れていたと言われます。北方の火山帯のおかげで温泉も湧き、保養地としても高い人気を誇ったそうです。 |
| 20 | スピカ | セドナは大規模な計画都市で、地上が役所や兵舎などがあった公、区画、地下１０メートルの第１層が居住区画、地下２０メートルの第２層が商業・娯楽区画、地下３０メートルにある最下層が産業区画になっていたんだって。地下都市になっているのは、津波や地震の被害から住民や観光客を守るための配慮だったと言われているわね。 |
| 21 | ポップル | 最盛期の人口は約４万人だけど、観光客や駐留兵を合わせて常桙P２万人がいたんだぴょん。今のバラン以上の大都市だったぴょんね。セドナは保養地として有名だけど、デストグラーン北西部の軍事要衝でもあるから、王都から近衛騎士団が派遣されていたぴょん。保養施設も最初はこの騎士たちのために作られたそうぴょん。 |
| 22 | ジャネット | 強力な近衛騎士団に守られたセドナは、歓楽地として多くのlを惹きつけ、それがさらなる発展に繋がっていったんだ。最盛期には、近衛騎士団による大アザラシ狩猟ツアーとか、命がけの、ド派手なイベントもたくさん行われていたんだと。浴場が立ち並ぶ第２層には酒場が乱立して、もう大変な賑わいだったというぜ。 |
| 23 | シャロン | 繁栄を極めたセドナも、グラード王国を崩壊させた魔法の暴走からは逃れらませんでした。いかに精鋭の騎士団でも、あれほどの大災厄には無力だったんです。魔法の暴走の影響は海や火山帯にも及びました。暴風、津波、火山噴火、地震などが立て続けに、しかも長期に渡って起こったため、街は廃墟になってしまったんです。 |
| 24 | ポップル | セドナはものすごい状況で滅亡したぴょん。海水を取り入れて大スケールの産業用水路が造られていた第４層は水没、温泉が引かれていた第３層は溢れ出たマグマで埋められて、第１層は暴風、地震、津波で壊滅、第２層は上の層が崩れたことで押し潰されたぴょん。市内にいた約10万のうち、生存者は200名程度だったぴょん。 |
| 25 | エリス | 生存者の中にセドナの書記官がいました。彼は繁栄から滅亡へ至る最後の数時間を記録に残し、これをある冒険者が手に入れたことから第２の伝説が生まれます。この冒険者は街の廃墟を掘り返して魔法王国時代の遺物を大量に発見し、大金を獲得したんです。こうしてセドナは一攫千金の夢を叶える場所として有名になりました。 |
| 26 | リュキア | でも、セドナに向かった冒険者たちのほとんどは、イッカクセンキンなんて、つかめなかったのよ。ていうのも、街とともに死んだ人たちがアンデッドや魔法生物に変化しちゃってて、襲ってきたからなの。浅いところを探索しているうちはまだヘーキだったんだけど、地下を発掘始めたら、このレンチュウが出てきちゃったのね。 |
| 27 | シャロン | セドナに現れたモンスターは、どれも魔法に対して強い耐性を揩チていました。アンデッドタイプの場合、形状はゾンビそっくりなんですけど、呪文が効かなくて、肉体も遙かに頑健だったんです。おまけに叫び声を聞くと恐怖で体が硬直してしまうため、戦士の人は耳を塞ぎながら戦ったんだそうです。これでは戦いにくいですよね。 |
| 28 | ジャネット | 魔法生物のほうは、スライム状の不定形の生物だった。ヤツらの体はとても柔らかいから、魔法も武器も効果が半減しちまう。おまけに人間と同じレベルの知性を持ってて、言葉も使うんだ。普段は天井などに張りついていて、獲物目がけて落下し、包み込んで４、５分で同化させちまう。連中、この方法で種族を増やしていくんだよ。 |
| 29 | リュキア | 冒険者たちはガンバって戦い続けたの。モンスターもずいぶん竄チつけたんだけど、やがて大規模な砂嵐と津波が起こって、セドナを襲ったのね。冒険者たちが造った探索路も全部壊れちゃって、とうとうみんなあきらめちゃったのよ。今じゃ、バージルから数年おきに偵察使が派遣される以外、訪れる人なんていないのよね。 |